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取材協力:
デジタル革新本部 企画部 デジタル人財育成担当 加藤 洋平様
デジタル革新本部 企画部 デジタル人財育成担当課長 小窪 陽子様
公式サイト:NTT東日本
業種 :情報通信業
受講クラス:kintone基本クラス、kintoneシステム構築ワークショップ
受講人数 :のべ840名
日本の通信インフラを支えてきたNTT東日本が、これからのデジタル時代に向けて新たなステージを切り開こうとしています。自社のDX推進とともに、顧客のDXを支えるソリューションパートナーとしての成長もめざし、変革を加速させています。
2022年6月NTT東日本 代表取締役社長 澁谷直樹氏は、2024年度末までに5,000人のデジタル人材を育成するという目標を発表しました。全社的なデジタルスキルの底上げと専門人材の育成を進める同社の取り組みについて、デジタル革新本部の加藤様、小窪様にお話を伺いました。
研修で学んだことを、もっと業務活用につなげる必要があった
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小窪様:当社はデジタル人材の育成の一環として、ノーコード/ローコードツールを活用した研修プログラムを2022年にスタートさせました。具体的には、kintone、Tableau、Power Platformを活用した短期育成型の研修を年間2,000人規模で実施し、デジタルスキルの向上を図るものです。立ち上げ当初は、クラウドユニバーシティの研修ではなく、他の研修コンテンツを活用していました。
加藤様:研修受講生からのアンケートなどを通して、大きく2つの課題が明らかになってきました。1つ目は、当初の研修プログラムは知識の習得に重点を置きすぎており、実践的なスキルの向上につながりにくかったという点です。
その結果、研修中は理解できたと感じていても、実際の業務の中で実務活用できないという課題が浮き彫りとなりました。単なる知識の蓄積ではなく、実務での活用を見据えた実践的なスキル習得を目指す必要性を強く感じましたね。
2つ目は、受講者が元々持っているデジタルスキルの差が大きく、受講者全員にマッチした研修になっていなかったという点です。年間2,000人という大規模な研修においては、デジタルツールを触ったことがない社員から、すでに基礎知識を持つ社員まで、幅広い層が研修を受講しました。
そのため、難易度が高いと感じる受講生がいる一方で、内容が初歩的すぎると感じる受講生も出てきてしまったのです。全社的にデジタルスキルの底上げをしつつ、デジタルツールを初めて触る方でも実務の中で活用し、活躍できる人材を育成したい方針でしたので、双方に効果的に対応ができる研修が必要だと考えました。
クラユニ研修を採用した理由は、実践的なスキルが習得できるから
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加藤様:アンケート結果などを通して見えてきた課題に加え、既存の研修コンテンツでは少し物足りなさを感じており、より良い研修の形を模索していました。
大きな転機となったのは、デジタルスキルに強い信頼できる研修検討の協力メンバからの提案でした。その協力メンバは自己研鑽の一環として、クラウドユニバーシティの研修をすでに受講していたのです。その経験から、「 クラウドユニバーシティであれば、すぐに実務に活かせるような研修プログラムを実施してくれるはず 」という話を聞きました。
研修プログラムの見直しを本格的に検討するなかで、既存の研修コンテンツとクラウドユニバーシティの両方の研修内容を比較しました。研修内容の質や受講生の理解度向上、実践力の向上など、あらゆる角度からそれぞれ研修の特徴を分析していった結果、クラウドユニバーシティの研修を採用することを決めたのです。
実践的なハンズオン形式の研修で、デジタルスキルのばらつきにも対応
小窪様:クラウドユニバーシティの研修に切り替えた結果、その内容が実務に直結していることを強く実感しています。これは、クラウドユニバーシティの研修が実践的なハンズオン形式で行われているからだと考えています。
従来の研修では、PowerPointによる説明を最初に行い、その後で操作に移るという形式でした。その一方で、ハンズオン形式だと説明を聞きながら実際の操作を学ぶことができるため、実務にもすぐ応用できる知識を習得できます。
また、受講生それぞれのレベル感に合わせて柔軟に対応してもらえる点も非常に助かっています。基礎からじっくり学びたい受講生は講師の指示に従って実践しながら着実に進め、技術的な理解が早い受講生は自主的にテキストを先読みして進めたり、自分で色々使い方を試したりできています。
更に当社では、体系的な知識を習得するために、受講後のkintone認定アソシエイト取得も推奨しておりますが、試験においてポイントとなる点にも研修内で多く触れて頂いており、資格取得への大きな後押しとなりました(私自身も、本研修受講後1か月以内に合格することができました)。
加藤様:研修の成果は具体的な数字にも表れています。アソシエイトの資格受験者は、2022年の研修開始前はわずか10人程度でしたが、現在では100人を超えるまでになりました。クラユニ研修だけの成果ではない部分もあるのですが、研修内容の深い理解だけでなく、体系的な知識もプラスアルファで取得できているところに確かな手応えを感じています。
社内DX・顧客向けDXを推進する人材育成を加速
小窪様:本研修を含む一連の育成プログラム(各種研修やデジタル人材認定制度等)を通じて、当社は社内DXの推進や顧客向けDXサポートを行う人材の育成を加速しています。社内DXについては各部署でムリ・ムダな業務に着目し、改善を図る営みを推進しています。その中で研修受講生がkintoneを活用し、研修で得た知識を活用して業務のデジタル化を進めている事例もでてきています。
お客様向けのDXについては、ただツールの導入支援をするのではなく、お客様からのDXに関するご相談に対して、より包括的な解決策を提案できることをめざしています。特に自治体や中小企業のお客様から、 kintoneやPower Platform等のツールをご指定でご相談いただいた際も、お客様の真の課題や目的を理解し、上流工程からのコンサルティングを含めた総合的なDX支援が可能な人材が育ちつつあります。
加藤様:一連の育成プログラムは、社内向けのDX推進とお客様向けのDXの両軸で、成果を生み出しています。特筆すべきは、ツールの操作スキルだけでなく、業務改革やDX推進の本質を理解し、実践できる人材を育成できている点です。クラウドユニバーシティの研修においても、我々がめざすデジタル人材育成を大きく後押しいただいていることを実感しています。
デジタル時代のソリューションパートナーへ
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小窪様:当社は、今後も地域を支えるソーシャルイノベーション企業としてkintone等ノーコード/ローコードツールを含めたデジタル分野における価値創造・課題解決を積極的に進めていきたいと考えています。お客様によっては、必ずしも専任のDX担当者がいるわけではないため、私達がその役割を担いながら、地域のソリューションパートナーとして貢献していきたいと考えています。
加藤様:私たちは単なる通信サービスの提供者にとどまらず、デジタル時代における真の地域社会のパートナーになることをめざしています。社員一人ひとりのデジタルスキル向上と、そのスキルや経験を活かしたお客様支援を通じて、地域社会のDX化に貢献する企業として成長していきたいと考えています。